3月某日。埼玉県三芳町にある産業廃棄物中間処理を行う石坂産業さんを訪れました。
建築物を解体した後に残る、下ごみ(解体残渣)まで回収し再資源化を可能としている環境配慮意識の高い企業さんです。
セミナーでは、産業廃棄物についての基礎から、どのようにリサイクルして再利用しているか、という話から、SDGsの12項目めに掲げられている
「つくる責任 つかう責任」に+すてる責任という認識を持つ必要性について学びました。
解体現場に残されたゴミくずたちは、RPFという固形燃料になり、燃料としてサーマルリサイクル(熱回収)。また再生ブロック煉瓦などにも生まれ変わります。
さて、このようにリサイクルされ活用できる素材がある一方で、新建材のものはリサイクルしにくい素材が多いとのこと。我が家も4年前に内装リフォームした際に、キッチンボードひとつ選ぶ際にも、汚れがふき取りやすい、耐火性がある、強度の大理石でできているなど、いろんな機能のものから選ぶことができましたが、石坂産業さんのお話によると、新築の建物に使われるようになった、この耐熱性、耐火性に優れた新建材品はリサイクルしにくい素材が多いそうなのです。
前回のブログにもご紹介しましたが、昨年秋に開かれた「朝日環境フォーラム」で登壇された石坂典子社長も、「30年間、産廃処理の仕事をしてきて、どんどん再生しにくくなっていることを感じている」とおっしゃっています。
耐久性が良すぎるものというもの問題なのですね・・・
日本においては、まだ今現在、メーカーさんの視点では”リサイクルする前提で作っていない”ことが多いです。でも、これからの時代は、地下から新たに資源を掘り出して使うことではなく、すでに地上で使った資源を再利用する循環型社会にしていくことは必須ですよね。
廃棄物にならない設計をする必要があり、その観点でみても、
「つくる責任 つかう責任 すてる責任」は、製造する側だけでなく、消費者側にも必要なことです。
そんなこれからの時代に求められる素材はいくつか上がってきていますね。
KANKIKUとして今、注目しているのは、
石灰石でできた素材 Limex (ライメックス)。紙やプラスチックの代替品になり、日本国内でも豊富な資源があり、100%リサイクル可能。
そして、竹。成長の早い竹林が及ぼす自然界の課題解決にも、竹パルプ製品はいろんな側面から環境配慮として優れた素材だと思います。